法人版Creative CloudのProエディションとエンタープライズ版エディション4の違いを比較

2025/02/28

「Adobe Creative Cloud」とは、Adobe製ソフトの一部が利用できるようになるサブスクリプションサービスを指します。今回取り上げる「Proエディション(CCT Pro)」と「エンタープライズ版エディション4(Edition4)」は、法人向けに設定されたCreative Cloudの契約プランです。

では、CCT ProとEdition4にはどのような違いがあるのでしょうか。本記事ではこの2つのプランの違いについて解説します。

そもそもAdobe Creative Cloudとは?

「Adobe Creative Cloud」とは、年間料金を支払うことでAdobe製のソフトの一部が使い放題になるサブスクリプションサービスです。使えるソフト数の面では、1種に絞る単体プランと、20種以上のソフトすべてを使えるコンプリートプラン等があり、使用者の属性の面では、法人向け、学生・教職員向け等のプランが用意されています。

CCT ProとEdition4の概要

CCT ProとEdition4はどちらも法人向けのプランですが、想定されている利用人数が違います。CCT Proは、中小企業や特定部署の規模を想定した設計の「グループ版」、Edition4は、大規模企業を想定した設計の「エンタープライズ版」に属するプランのエディション名です。CCT Proの下位エディションにあたる「CCT」を加えた3つのプランによる違いを下記の表にまとめました。こちらを踏まえて、プランを比較してみましょう。

比較表(CCT/CCT Pro/Edition4)

2つのプランの共通点

使えるソフト

CCT ProとEdition4で、利用できるソフトの種類には違いはありません。以下の種類が使えます。

  • Creative Cloud コンプリートプラン
  • Photoshop
  • Illustrator
  • InDesign
  • Audition・After Effects
  • Animate
  • Dreamweaver
  • InCopy
  • Lightroom
  • Premiere Pro
  • Adobe XD(既にXDをお持ちの方のみ移行/購入可)

「単体プラン」では上記のソフトから1つだけ、「コンプリートプラン」ではすべてのソフトが利用できます。

Adobe Stockのコンテンツが使い放題

「Adobe Stock」とは、Adobeが運営するフォトストックサービスです。4億点以上の画像および動画コンテンツが揃えられており、そのほとんどが商用利用可能。クレジット表記の必要もないため、制作物のデザイン性を損なわずに活用できます。

Fireflyが利用可能

「Firefly」は、Adobeが開発した生成AIです。テキストでプロンプト(命令)を入力するだけで、オリジナルの画像や動画を生成できます。

通常の生成AIはインターネット上のコンテンツを学習データとして蓄積しており、著作権侵害のリスクがありますが、Fireflyならその心配もありません。Fireflyが生成する画像や動画の学習元は、上述のAdobe Stockにおいて権利関係が精査されたコンテンツであるため、無自覚に著作物を利用してしまう危険性がないのです。

IP補償

FireflyのIP補償とは、万が一Fireflyが著作権侵害に当たるコンテンツを生成してしまった場合に、利用者が補償金を受けられる制度です。補償金の上限はどちらのプランも1素材あたり10,000ドルとなっています。

2つのプランで異なる点

スタイルキットとオブジェクトの合成

Edition4はCCT Proと比べて利用できるツールが幅広く、「スタイルキット」と「オブジェクトの合成」は、Edition4限定で使える機能となっています。

「スタイルキット」とは、Fireflyを使って画像生成をする際の拡張機能で、縦横比、トーン、構成といった設定を保存できます。保存した設定はチーム内で共有できるため、共同作業を行う際にもスタイルを統一しやすいメリットがあります。

「オブジェクトの合成」は、背景のトリミングやオブジェクトのサイズ変更など、合成画像を作成する際に役立つ機能を手軽に使えるツールとなっています。

Adobe Stockライセンス

Edition4とCCT Pro では、Adobe Stock利用時のライセンスが異なり、Edition4には「拡張ライセンス」、CCT Proには「強化ライセンス」が付与されます。

「強化ライセンス」の場合、Adobe Stockのコンテンツの利用対象として、印刷物、Webコンテンツ、Eメールなどは認められていますが、そのコンテンツ自体が主な購入目的となる商品(コンテンツが大きく印刷されたTシャツやマグカップ)への利用は認められません。一方、拡張ライセンスではその制限がなく、素材を自由に商品に利用できます。

なお、どちらのライセンスもAdobe Stockのコンテンツを独立したファイルとして配布することは禁じられています。

Fireflyの利用上限

Fireflyでコンテンツを生成できる回数には、ユーザーごとに上限があります。単体プランの場合は一律で700クレジットです。コンプリートプランの場合、CCT Proは1,200クレジット、Edition4は1,500クレジットが上限となります。

セキュリティ、サポート、管理体制

中小企業や部署向けに設定された「CCT Pro」に対して、「Edition4」は大規模企業向けに設定されたプランです。大人数での利用を想定してライセンス管理が強化されており、システム管理者、ユーザーグループ管理者、サポート管理者など、段階的に管理者を設定できます。

そのほか、一度ユーザー認証をすれば他社製品を含む複数のサービスにログインができるSSO連携に対応している、専用暗号化キーを利用できる、個別の支援員が付くなど、サービスやセキュリティ面も手厚くなっています。

導入の際の注意点

最後に、導入の前に知っておきたい注意点を解説します。契約やアップグレードの前にポイントを押さえておきましょう。

Adobe Stockのコンテンツの利用権

Adobe Stockで取得したコンテンツの利用権は、ライセンスを所有している個人または企業にあります。つまりAdobe Stockの素材を使った制作物をクライアントに納品したとすると、クライアント側でコンテンツ利用に関する規約違反があった場合に責任を負うのは、ライセンス所有者である制作者側となります。

こういったトラブルを回避するためにも、Adobe Stockのコンテンツを利用する納品物を制作する際は、書面による利用規約の確認や合意を得るようにしておきましょう。

また、コンテンツを使用した制作物を譲渡できるのは、ライセンス所有者に利益がある場合のみです。たとえば、ライセンスを所有している「制作会社A」が「クライアントB」から依頼を請けてコンテンツを利用した制作物を納品するケースであれば、BからAに報酬が支払われるため、利用規約上問題ありません。

しかし、AとBの間に「代理店C」が入り、Aが制作した成果物をC経由でBに納品した場合、CとBの受け渡しの課程で発生する利益がライセンスを所有しているAにないため、許諾違反となります。また、BがAの成果物を別目的で使用する場合も、Aに利益がないため、許諾違反です。

【グループ版】CCTからCCT Proへの移行は、ライセンスの再割り当てが必要

以前からグループ版Creative Cloud(CCT)を利用していたのであれば、年間契約更新のタイミングで上位エディションであるCCT Proへの契約変更が可能です。契約変更後は、管理コンソールからライセンスの再割り当てを行いましょう。再割り当て作業は簡単で、管理画面からウィザードを付け替え、各ユーザーが再ログインするだけです。

【エンタープライズ版】Edition4への移行が必須

エンタープライズ版は、2024年6月にCCE(Edition3)が廃止されると共に、CCE ProからEdition4へのリブランドがなされました。つまり、これまでは上位と下位で2パターンのプランが用意されていたところ、現在利用できるエンタープライズ版のプランはEdition4のみになりました。現在下位プランのCCEを利用している方は、契約更新時にEdition4への移行が必須となります。

導入はシステナで

CCT ProとEdition4の違いは、想定しているユーザーの数にあります。中小企業や部門向けに設計されているのがCCT Pro、大規模企業向けはEdition4と考えれば自社に合うプランを選びやすくなるでしょう。とはいえ、細かい仕様の違いなどもあるため、自社だけで導入まで踏み切るのは不安が残るでしょう。

システナでは導入・運用時の不明点や困りごとをトータルサポートしています。Creative Cloudの導入を検討する際は、Adobe製品専任の担当者がいるプラチナリセラーのシステナまでご相談ください。

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